凜子へ:
今、午前2時。
6時間前、あの遊園地で君に分かれを告げてきたところです。
凜子、僕のしたことは間違っていたんだろうか?
僕を恨んでもいい、憎んでも構わない。
ただ、1日も早く僕のことを忘れてほしい。
今のいままで、そう思っていました。
だけと、どうしてだろう。
君に言い殘したことがある気がするんだ。
それは多分、大げさに言うと、希望のようなものなのかもしれない。
と言っても、それは僕の病気が治るとか、また君に會えるとか。
その大それたことではなく、ほんのささいなもので、2月の終わりに作新芽や自販機の下に落ちた十円玉のように、小さく、小さくあって、人がそれと気づかずに導かれ、胸に殘す。
そんな希望、わかるかな、凜子。
僕が思うのはただ一つ。
君が笑う時、僕は、いつもその笑顔に未來を見ていたってこと。
僕の願いはただ一つ、明日も明後日も、君の笑顔が絶えもなく続くってこと。
僕はこの手紙を書き終わってから、きっと破り捨てることだろう。
それでも、僕のこの思いは屆く、君に屆く。
それが今、僕にとっての小さな、小さな希望であり。
僕にとっての大きな、大きな奇跡なんだ。
凜子、今、目を閉じると、君の後ろ姿が目に浮かぶ。
おろしたて靴がはいてきた君が、落ち葉を蹴って、冷たい風を切って、
ただ、前、前と進んでいく。
僕が見送っている。僕が君に手を振っている。
そして、思う。
凜子、君の行先(ゆくさき)にある未來を信じて、僕は信じている。
俊介
追申(ついしん):君に出會いてよかった。
給凜子:
現(xiàn)在是凌晨兩點。
六小時前,就在那家游樂場跟你說了分手。
凜子,我做錯了嗎?
呵,你怎樣憎恨我都沒關系。
只是請盡快把我忘了吧。
直到現(xiàn)在,我也是這么想的。
但是,為什么呢?
總感覺還有話要跟你說。
夸張地說,多半是類似于希望這樣的東西。
雖說如此,也不是我的病能夠治好或者還能再次與你相見,這樣的異想天開,而是十分瑣碎的小事,就像2月底剛長出來的新芽,抑或自動販賣機下滾落的十元硬幣,這樣細小的,瑣碎的事情,使人不知不覺被它們指引道路,并停留在內(nèi)心。
這樣的希望,你能明白嗎,凜子?
我現(xiàn)在牽掛的,只有一件事。
那就是當你微笑的時候,我總是能在你的笑臉中看到未來。
我現(xiàn)在祈求的只有一件事,那就是明天也好后天也好,你的笑臉能夠永遠持續(xù)下去。
我寫完這封信,大概會撕碎然后扔掉吧。
即便如此,我的思念也要傳達,傳達給你。
這就是對我而言十分渺小的,微不足道的希望。
對我而言也是巨大的巨大的奇跡。
凜子,現(xiàn)在,只要閉上眼睛,眼前就能浮現(xiàn)你的背影。
穿著剛買的新鞋子,踢著落葉,迎著冷風。
只是,不斷地向前,向前。
我只能目送著你,沖你揮手。
然后,思念。
凜子,請相信你的前方會有未來,我始終相信的。
俊介
最后:能與你相遇,真好。